トプカプ宮殿 

イスタンブール観光の目玉、いよいよ今日はトプカプ宮殿に行く日です。オスマントルコの歴史をつぶさに見てきた宮殿。昔はごくごく限られた人々しか入れなかった最深部まで観光できるなんて、素晴らしい!

頭の中ではスレイマン大帝がボスフォラス海峡を見ながら宴会に興じている妄想が膨らんでいます(笑) 権謀術策が繰り広げられたハレム、アングルやルノワールなど長年ヨーロッパ人の想像力を刺激してきた禁断の場所ですよね~。ちょっとドキドキです。

朝ごはん

早朝、まだ夜が明けていない時間に、アザーンが鳴り響きました。この音を聞くとイスラム圏に来たなぁ、と思います。時差ボケもあり、すっかり目が覚めてしまいました。しばらくするとトラムが運行を始め、人の賑わいが窓の外から聞こえてきます。そのころになって、ようやく家族も起床し始めました。

しかし何ということでしょう。娘の体調が悪化しています。うーーーん、これは困った。とりあえず、何をおいても安静にすることにし、朝食は部屋に持ってくることにしました。さらに 、鼻に来る風邪なので、ティッシュを調達。ハウスクリーニングの係りの女性にお願いすると、ホテル中から予備のティッシュを集めてきてくれました。

ご飯はいつもの通り、シンプルだけどおいしい。ここでも係りの女性にお願いし、娘の分は部屋に持ち帰ることに。ミネラルウオーターも余分にボトルで持たせてくれました。
旅行中にこれほど長く体調を崩すのは初めて。不安な中、ホテルのスタッフの心遣いがとてもありがたかったです。

トプカプ宮殿へ

娘の調子はあまりよくないものの、今のところ熱はないようです。ただ、ここで無理をすると、さらに悪くなることでしょう。娘のあこがれの地、イギリス出発は明日。トプカプ宮殿はあきらめ、午前中は部屋で休んでいることにしました。

娘を部屋に残し、トプカプ宮殿に出発です。今日はすぐに入口を見つけることができました。厳重なセキュリティをくぐり、オーディオガイドをレンタルし、正門へ向かいます。

表敬の門が見えてきました。白い壁にブルーグレーの屋根がとても素敵です。アラブの門、というよりもノイシュバンシュタイン城のような中世ヨーロッパの古城を思い出させますね。

門の前にたむろするワカケにまたしても目を奪われながらも、いよいよ宮殿内に入ります。様子をうかがうと、まだ団体客が来ていないようで、宝物殿もそれほど混雑していません。さっそく向かって右側にある宝物殿へ。

この宝物殿、本当に見ごたえがありました。有名なスプーン職人のダイヤモンドやトプカプの短剣はもちろんですが、それ以外の宝物も素晴らしく、「トプカプの短剣」が至宝に見えないんです。どれも目がくらむばかりのすばらしさ。

上の写真が有名なスプーン職人のダイヤモンド。漁師が拾ったダイヤをスプーン職人がスプーン三本と交換して手に入れたといわれています。中は撮影禁止なので、ウィキペディアからの借り物です。これはすごかった。写真ではちょっと黄色く映っていますが、もっと透明です。86カラットあるのですが、入口から展示室に入ると、このダイヤが「ピカーッ!」って発光しているみたいに見えます。別格の存在感でした。

こちらがトプカプの短剣。エメラルドは一つ2cmぐらいでしょうか。とても綺麗です。ところがというか、下の写真を見てください。これは玉座の上からつるす飾りのようなものらしいのですが、このエメラルド、一つ4cm以上あるんです。ほかにも大人の拳骨ぐらいある飾りもありました。トプカプの短剣レベルのエメラルドなら、宝石箱に20個ぐらい無造作に入れられているものがあったり。ものすごい質なんです。

さらにはターバンの飾りもすごい。下の写真のものはルビーも3cm以上ありそう。さらには大粒のダイヤがびっしり。目がくらむとはこのことです。

ノーマークだったけど、非常に興味深かったのが、スルタンに贈られた、世界各国の最高勲章。ガーター勲章や大勲位菊花大綬章もありました。世界中の主だった国の最高勲章、しかも本物を、これほど一度に見られるとこって、他にあるのでしょうか。
各国の権威を象徴するものですから、細工も美しいし、なんといっても超レア。ほとんどは元首クラスの人の王宮や邸宅の金庫の中に大事に保管されているものですよね。

他に武具などもあり、スルタン用の甲冑や剣は、信じられないぐらいの数の宝石で飾られています。トルコ帝国恐るべし。ここまで贅沢の限りを尽くしていたとは。

他にもイスラムの国らしい聖遺物もたくさん。「マホメットのヒゲ」とか「カーバ神殿の幕」とか。これもイスラム教徒からすれば、最高の宝物なのでしょう。手に入れるのがものすごく大変なのは想像に難くありません。
まさか異教徒の私が「カーバ神殿」の一部を見ることができるとは夢にも思いませんでした。中ではカーバ神殿に参拝するイスラム教徒の映像も見られます。これもある意味ものすごいレア。

とにかく必見としか言いようがありません。今までみた宝物のなかで、質・量とも群を抜いていました。撮影禁止だったので、写真がないのが本当に残念。上記の写真はすべてウィキペディアからのものです。ぜひご自分の目で確かめてください。

ハレム

あまりの豪華さに呆然としながら、続いて左奥にあるハレムへ。こちらは別料金です。写真は「やったついにハレムに潜入だ!」と喜ぶ長男。

中に入ると急に閉塞感があるなと思ったのですが、やたらと壁が高いせいかも。中庭などもあるのだけど、なんとなく壁に囲まれているという印象があります。

入ってすぐのところにある黒人宦官の部屋の様子。こういう人たちって、どの国でも必ず力を持って暗躍するんですよね(笑)

さらに奥へ進むと大理石の棚があります。ここは外で作られたハレム内の女性の食事を置くところ。この先は女官や宦官が受け取り、各部屋に配分されました。トプカプ宮殿内では5000食ともいわれる食事が作られていたそうです。棚もこれだけで足りたのかなあ。

順路に従っていくと、ブルーの美しいタイルにおおわれた部屋に出ます。タイルというと、冷たい印象を受けると思っていたのですが、曲線を多用したかわいらしいモチーフなので、そんなことはありませんでした。とても繊細な美しさです。

さらに奥へ行くとハレム最大の権力者、皇帝の母后の部屋に入ります。ハレムの全女性の憧れであっただろう母后の部屋はさすがの豪華さ。でも、とても素敵な絵が描かれ、いかにも優美な女性のために作られた部屋という感じがします。

天井はこんな感じ。素敵ですよね。

通路はこんな感じ。ちょっと神秘的です。

次はタイルの間と言われるところです。黄色はサフラン、青はコバルト赤はサンゴを原料として描かれているそうです。どれも貴重なものばかりですね。
柔らかい色調で、とてもきれい。ハーレム全体に言えることですが、豪華ではあるのですがどこも色調が抑えられ、柔らかい雰囲気です。ここならば落ち着いて生活できそう。いや、住めないですけど(笑)

ここはハレムの中庭に続くコールデンロードと言われる場所。ハレムで最も古く、かつ重要な通路だそうです。スルタン用の通路で、ハレムへの近道でした。特別なことがあるとこの通路にハレムの住人が並び、そこを金貨を投げながらスルタンが通るというイベントがあったそうです。並びたいですね(笑)
ちなみに中央のタイルが見どころだとか。

続いていよいよスルタンの大広間。ここは広くて広角レンズを持たない私には大きさをお伝えできる写真を撮ることができませんでした(-_-;)

次はムラト三世のサロン。宮殿内の最も美しいといわれている部屋です。名建築家ミマール・シナンによって1578年に建てられました。

天井はこんな感じ。きれいです♪

壁にはこんなにかわいらしいモチーフのタイルも。写真ではよくわかりませんが、赤の部分が盛り上がっています。この技術は今もって不明とテレビで見たことがあるのですが、お土産物屋さんに同様のタイルが(笑) なぜ?解明したの?

続いてここは皇太子の部屋。ステンドグラスが非常に美しいです。後継争いを勝ち抜くとこんな部屋に住めるわけです。勝ち抜けなかった場合の悲惨なお話は後述しますね~。

暖炉の中には子孫繁栄を願って、キャベツとオクラの絵が描かれています。でもなぜオクラ?(笑)

金角湾一望!

第四庭園といわれる中庭に出ます。ここにはプール付きのロイヤルホールと呼ばれる建物があり、大理石の通路が併設されています。庭園には花が植えられトプカプ宮殿の中でもとりわけ美しいといわれていたそうです。水があると美しさが引き立ちますね。夜の宴会なども素晴らしかったことでしょう。

突き当りにはイフタリエと呼ばれる小さな天蓋付きの東屋があり、金角湾を背に絶好の記念撮影場所になっていました。実は今回の旅では母、「オーロラを撮影する」という大義名分のもとにニコンの一眼レフを新調したのですが、外人もやたらとニコンを持っていて、撮影を頼むと、「あら、あなたも。使い方は知っているわ」状態でした(笑)
外国で日本製品を見ると誇らしいです♪

ハレムの最深部は金角湾に面し、素晴らしい眺望でした。
・・・でも、実はこんな場所もあるのです。下は黄金の鳥かごと呼ばれる建物。ここはオスマン帝国のまさに暗部、悲惨な歴史があるんです。

ウィキペディアより
16世紀、皇帝は皇子が皇位剥奪のために謀反を犯すという強迫観念にとらわれ、トプカプ宮殿の後宮のもっとも奥、北の角に「黄金の鳥かご」と呼ばれる一室を作り、皇子たちを幽閉した。
監視には秘密を守るために鼓膜に穴を開けられ、舌を切られた宦官があたった。 やがて、この黄金の鳥かご制度も世襲されることになり、しばしば皇帝は皇位簒奪を恐れて黄金の鳥かごに幽閉した皇子たち(皇位継承権を持つ皇帝の兄弟や子)を殺害した。
殺害に当たっては、オスマンの血を流してはならない、という戒律によって処刑人が紐で絞め殺した。時には、皇位継承者を殺害しすぎて皇位継承が危ぶまれる事態まで発生したこともあった。(中略)
黄金の鳥かごは、長年の幽閉生活で精神状態や社会的な適応力に問題を持つ皇子の皇帝への即位を繰り返す結果を生み、時に幼年皇帝の即位による皇太后の政治関与を生み、帝国衰退の一因ともなった。

いつ殺されるかわからない状態で、誰とも話しすらできず、ここに幽閉されるわけです。おかしくならない方が不思議ですよね。
怖すぎる~。ここ、まさに第四中庭の先にあるんです。すぐ目に入る場所ですよ。こんなところで、こんな恐ろしいことをしていて、そばで宴会できるなんて、ちょっと普通の神経ではないですよね。世界各地にお化けが出るといわれている場所はたくさんあるけど、ココこそ一番出そう・・・と私は思います(-_-;)

とハレムはこんな感じでした。(黄金の鳥かごをのぞいて!)とにかく綺麗。ただ豪華なだけではなく、優美です。ここはイヤフォンガイド必須ですね。部屋数が多く、どれも一様に美しいのだけど、イヤフォンガイドがないとなんとなく通り過ぎてしまいそう。説明前後に入るイスラム調の音楽もいいムード。内容も過不足なく、よくできています。ぜひ借りましょう!

昼ごはん

トプカプ宮殿は見どころが多く、午前中いっぱいかかってしまいました。ホテルに残してきた娘も心配です。急いで戻りました。
娘の体調は朝よりましになっていてほっと一息。私たちが外出していた間にも、ホテルのスタッフが追加のティッシュを持ってきてくれたそうです。とても心配してくれて、励ましてくれたとか。ありがたいことです。
全快までもう一息。でも、ここで気を緩めず、今日は一日部屋で寝ていることにしました。

昼ごはんも外で何か買ってくることに。近場でテイクアウトできる店を探しました。
トルコは食べ物屋さんがとても豊富。すぐそばにファストフードのようなお店を見つけました。テイクアウトももちろんできるとのこと。さっそく注文です。

飲み物は前日夕食でいただき、とてもおいしかったザクロジュース。これ、とてもトルコで人気のようです。生のザクロをそのまま絞るのでとっても濃厚!お料理中のスタッフを撮影させてもらいました。

できたてホヤホヤの料理はとってもおいしい!トルコ名物ドネルケバブとキョフテをいただきました♪

娘の分はテイクアウトをお願いし、大好物のポテトをたっぷりオーダー。大満足でした。

グランドバザール

午後も娘は不参加。でも、楽しみにしていたお土産物だけは何とかゲットしたい。我が家の女性陣は、トルコの名産で繊細なレース編みのオヤがぜひほしい。「ピアスを買ってきて!」というミッションを受け、グランドバザールに出発です。

グランドバザールは15世紀にメフメト二世によって建てられた歴史ある市場です。メフメト二世はコンスタンチノープルを落とした後すぐ、地域振興のためにこの市場を建てたとか。優れた王だったんですね。中は屋根に覆われ、お土産物屋であふれています。数千の店舗があるとか。屋根のせいで方向感覚がつかめないので、一度迷ったら出られる気がしません。方向感覚がすぐれている父と長男ですら苦戦していました。

貴金属ならここ、ランプならここと、エリアによって分かれているようなので、地図必須です。私たちはまず、「オヤ」を探すことに。

すぐ見つかるだろうと踏んでいたのですが、これがなかなか見当たらない。アクセサリーショップならいくらでもあるのですが、オヤはないのです。探している様子を見せるとすぐに店員が来るのですが、「オヤはあるか」と聞くと「ない」との返事。どこで売っているかも知らない様子です。何件か目で「あの店ならあるかもしれない」という店員がいて、わざわざその店に連れて行ってくれました。
しかしそこにもない。すると店員のうちの一人、初老の男性が売っている店を知っているとのこと。またまたわざわざ連れて行ってくれました。
無理に売りつけないばかりか、とても親切に探してくれて、「お土産物屋」というだけで警戒していたのが申し訳ないぐらい。長男がその男性にお礼を言うと、何も言わず「ぽん」と肩をたたいて去って行きました。「なんとダンディー」と感動の長男。

連れて来てもらったオヤ屋さんはこんな感じのところ。シルクの、非常に品質のよさそうなオヤばかりを販売していました。縫い針で編んだオヤは小さいながらとてもしっかりとした作り。汚れたら洗うこともできるそうです。かわいい小花のオヤのピアスを購入。ミッションコンプリートです♪

さらには世界のチェス盤を集めている長男が、オスマン軍対十字軍のチェスを購入。ちょっと高かったけど、頑張って値切り、納得の値段で買えました。

バリバリのアラブ商人が吹っかけてきそうという、大変失礼な先入観で突入したグランドバザール。でも、客引きもそれほどではなく、いい買い物ができました。目的がはっきり決まっていれば、やたらと勧められることもなさそう。楽しかったです。

ブルーモスク(スルタン・アフメット・ジャミイ)

大事な予定であるお土産物の購入も終わり、グランドバザールの前にあるブルーモスクへ向かいました。イスタンブールと言えばブルーモスクですよね。スルタンアフメット1世によって1616年に建てられました。
ここは今でも現役のモスクとして使われているため、お祈りの時間は入れません。また、服装にも注意が必要です。

入口はイスラム教徒と観光客で分けられています。母は髪の毛を覆うスカーフを貸してもらいました。露出の多い服装の場合はガウンのレンタルも。男性も短パンはダメです。靴をビニール袋に入れ中へ。

中は一面に絨毯が引かれ、巨大な空間となっています。噂にたがわぬ美しいブルータイルとステンドグラス。天井からはランプをつるすロープが細く伸び、これがまた非常に繊細な美しさをそえています。

中央部には柵があり、イスラム教徒以外は中に入れないようになっています。

絨毯に座り、ゆっくりと天井を眺めることができました。父と長男の後、ついたてに仕切られたエリアはイスラム女性のための礼拝所。しっかりと分けられているのですね。

アヤソフィアと違い、中を移動することができないブルーモスクは、じっくり見ても30分ほどでしょうか。礼拝の時間だけ気を付ければ、短い時間で観光可能です。しっかりと目に焼き付け、ブルーモスクを出ました。

ビザンチン帝国の道路0km地点

ブルーモスクのそばにはビザンチン帝国の道の起点となったマイルストーンが置かれています。広大なビザンチン帝国の中心ですね。日本なら日本橋というところでしょうか。
そばには世界各地までの距離がかかれた道しるべも建てられていました。東京までは8954km。ずいぶん遠くまで来たものです♪

夕ごはん

見ようと思っていた観光地はすべて見ることができました。満足満足。娘の待つホテルへ向かいます。ホテルのスタッフのおかげもあり、娘の体調は回復。本当に良かった!

娘を連れて、まずはトルコアイスのお店へ。テレビで見て、ぜひ行こうと思っていたんです。トルコアイスが伸びるのは有名ですよね。伸びるし粘る。この性質を使って、ちょっと楽しませてくれるんです。アイスを手渡したと思ったら、粘りを使って奪い取ったり、落としたふりをして驚かせたり。まるで手品。何をされるかわかっていても、思わず驚いて声をあげてしまうほど上手。通行人を巻き込んで大盛り上がりでした!

無理をしてもいけないので、夕食は前日と同じ、ホテル一階のレストランで、皆でそろって食べることに。

まずはトルコ観光の終了と娘の体調回復を祝って乾杯です♪乾杯はトルコのEFESビール。

トルコのお酒、ラクも頼んでみました。透明なお酒だけど、水を入れると白く濁ります。飲んでみたら、すごく強い。ブドウを使った蒸留酒だそうです。焼酎が苦手な母には飲めない味でした。娘が「あら、私大丈夫だわ」と飲んでいたのが怖かったです(笑)

ずっと肉料理が続いていたので、今日は海鮮料理を頼んでみました。これまたおいしかったです。トルコって、食に関しては本当に恵まれた土地ですよね。海も山もあり、東西の交易の中継地点だからスパイスも豊富。ぜひいろいろな種類の食べ物にチャレンジしてほしい場所です♪

父が頼んだこれは何だったかなー。後で思い出したら追記しますね。

しっかり飲み、食べ、満足のうちに世界一周トルコ編は終了です。次はいよいよロンドンへ向かいます!

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